肝臓ヒト化マウスの歴史 第20話番外編2
株式会社トランスジェニックグループ 顧問 山村研一
多能性幹細胞の研究の歴史
1.序論
手元に1975年にAcademic Pressから出版されたMichel I. ShermannとDavor Solterの編集による「Teratomas and Differentiation」という本があります。この本の論文の著者をみると、奇形腫の大御所であるLeroy C. Stevensをはじめとして、1970年代に奇形癌腫細胞の研究の必要性を唱え、大々的にその研究を開始したFrancis Jacobはもとより、キメラやES細胞や核移植で有名なMartin J. Evans, Gail R. Martin, Rolf Kemler, Beatrice Mintz, Karl Illmensee, Davor Solterらの名前が並んでいます。これらの研究者のうち、Martin J. Evans, Beatrice Mintz, Davor Solterらの方々には直接会ったことがあります。幹細胞研究は再生医療がらみで大きな注目を浴びていますが、時代をさかのぼればTeratoma(奇形腫)の研究がその源流です。今ではこの一連の研究を知っている人は多くはないと思いますが、華々しい研究は地道な基礎研究の積み重ねの結果であることを認識させる歴史があります。そして比較的最近のハイライトの研究は、2008年にAustin Smithらのグループが分化誘導にかかわる3つのシグナルを阻害することにより、幹細胞の持つ自己複製能を保てることを示した発見であり、それに続くラットES細胞の樹立の論文だと思います。多能性幹細胞(pluripotent stem cell)には、全能性(totipotenntial)と多能性(pluripotential)の両方の意味をごっちゃにして使われている場合もありますが、大きな違いがあります。全能性という場合は、生殖細胞にも分化できるという意味が含まれています。
2.多能性幹細胞(Pluripotent Stem Cells: PSCs)の歴史
最近、人工知能を使って、一つの論文の要約だけでなく、あるテーマに関して作文させることが可能になっています。私も興味はあったのですが、MacのApple IntelligenceとChat GPT(以下AIと略します)を活用してできるようになりましたので、「多能性幹細胞の歴史(引用文献含む)」で使用してみました。
(1)AIによる作文
1) 初期概念の萌芽(19世紀末〜1950年代)
多能性(pluripotency)という概念は、複数の細胞系譜に分化可能な細胞の存在を示す発生学的観察から始まる。19世紀末から20世紀前半にかけて、ウサギやマウスに自然発生する奇形腫(テラトーマ)が報告され、これが複数胚葉由来の組織を含むことが示された(Stevens, 1958)。この観察は、奇形腫形成能を持つ細胞が多能性を有することを示唆した。
2) 実験的奇形腫研究と多能性の確立(1950〜1970年代)
1950年代、Ralph BrinsterやLeroy Stevensらによって、マウス初期胚や胚性組織を成体マウスに移植すると奇形腫が形成されることが示された(Kleinsmith & Pierce, 1964)。この奇形腫形成は、細胞が三胚葉すべてに分化可能であることを意味し、多能性の実験的指標となった。
3) 胚性幹細胞(ES細胞)の樹立(1981年)
1981年、Evans & Kaufman および Martin により、マウス胚盤胞から胚性幹(ES)細胞が樹立された(Evans & Kaufman, 1981; Martin, 1981)。ES細胞は自己複製能と三胚葉への分化能を併せ持ち、奇形腫形成試験によってその多能性が実証された。これにより、多能性幹細胞研究は分子生物学的解析の時代へと進んだ。
4) ヒトES細胞の樹立(1998年)
James Thomsonらは1998年にヒト胚盤胞からES細胞を樹立した(Thomson et al., 1998)。ヒトES細胞は再生医療や疾患モデル研究の基盤となり、多能性幹細胞研究の応用が現実味を帯びるようになった。
5) iPS細胞の発見(2006年〜)
2006年、山中伸弥らはマウス線維芽細胞に4つの転写因子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)を導入することで誘導多能性幹(iPS)細胞を作製した(Takahashi & Yamanaka, 2006)。翌年にはヒトiPS細胞も樹立され(Takahashi et al., 2007)、患者特異的多能性幹細胞による疾患研究や再生医療の道が開かれた。
6) 現在と展望(2010年代〜現在)
近年は、オルガノイド培養やシングルセル解析技術の進展により、多能性幹細胞の分化機構や細胞系譜決定の精緻な解析が進んでいる。また、奇形腫形成試験に代わるin vitro多能性評価法も開発されつつあり、臨床応用に向けた安全性評価が進行している。
<引用文献>
- Stevens LC. Studies on transplantable testicular teratomas of strain 129 mice. J Natl Cancer Inst. 1958.
- Kleinsmith LJ, Pierce GB. Multipotentiality of single embryonal carcinoma cells. Cancer Res. 1964.
- Evans MJ, Kaufman MH. Establishment in culture of pluripotential cells from mouse embryos. Nature. 1981.
- Martin GR. Isolation of a pluripotent cell line from early mouse embryos cultured in medium conditioned by teratocarcinoma stem cells. Proc Natl Acad Sci USA. 1981.
- Thomson JA, et al. Embryonic stem cell lines derived from human blastocysts. Science. 1998.
- Takahashi K, Yamanaka S. Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors. Cell. 2006.
- Takahashi K, et al. Induction of pluripotent stem cells from adult human fibroblasts by defined factors. Cell. 2007.
正直驚きました。何も知らなくても、文献を読んだこともなくても、ものの数分で文献もつけて、これだけ書いてくれるとはびっくりです。
3.マウス奇形腫研究の歴史
さらに悪ノリをして、ここに比較するために、私がAIが出るずっと前に書いた文章とAIで作文した文章を以下に並べてみます。タイトルは「マウス奇形腫研究の歴史」です。
(1)AIに書いてもらった文章1回目
1)初期研究(19世紀末〜20世紀前半)
奇形腫(テラトーマ)は、複数の胚葉に由来する組織が混在する腫瘍であることが知られていた。19世紀末にはウサギやマウスの自然発生奇形腫の記録があり、発生学的研究の対象として注目され始めた。1930年代には、マウスの精巣に自然発生する奇形腫が報告され、精巣腫瘍と発生学の関連性が研究されるようになった。
2)実験的誘導奇形腫の研究(1950〜1970年代)
1950年代、ラルフ・ブリナースやリチャード・スティーブンスらにより、マウスの胚や胚性組織を異所性に移植すると奇形腫が形成されることが報告された。1960年代には、初期胚の一部を成体マウスに移植して奇形腫を誘導する手法が確立。これにより、奇形腫は多能性細胞の性質を反映するモデルとして注目され始める。
3)胚性幹細胞(ES細胞)研究との結びつき(1980年代以降)
1981年、マーティン・エヴァンスらによりマウス胚性幹(ES)細胞が樹立されると、奇形腫はES細胞の多能性を確認するための標準的手法となった。ES細胞を免疫不全マウスに移植すると奇形腫が形成され、そこに三胚葉由来の多様な組織が含まれることが確認される。これにより、奇形腫は幹細胞研究と再生医療研究の重要な基盤となった。
4)近年の展開(2000年代〜現在)
iPS細胞の発見(2006年)以降、奇形腫形成試験は多能性の指標としてさらに重要視されるようになった。マウス奇形腫モデルは、腫瘍形成メカニズム、幹細胞の分化制御、がん幹細胞研究の実験系としても用いられている。近年は、奇形腫を三次元的に解析し、細胞系譜の追跡や腫瘍微小環境の研究に活用されている。
5)まとめ
マウス奇形腫研究は、発生学から幹細胞生物学、がん研究へと発展してきた。歴史的には、自然発生腫瘍の観察から、実験的誘導、ES細胞・iPS細胞の多能性評価へと展開している。
(2)AIに書いてもらった文章2回目(文献を含むで依頼)
1) 序論
マウス奇形腫(teratoma)は、多様な胚性細胞由来の組織を含む腫瘍であり、発生生物学および再生医療研究において重要なモデルとして発展してきた。奇形腫研究の歴史は、胚性幹細胞(ES細胞)の発見や分化研究と密接に関連している。
2)初期の奇形腫研究(1900年代~1950年代)
20世紀前半において、奇形腫は主に病理学的対象として研究された。マウスにおける自発性奇形腫は稀であったが、腫瘍発生メカニズムの理解に寄与した。Stevens & Little (1954) により、マウス精巣内に自然発生する奇形腫(特に 129/Sv 系統)が報告され、後の実験モデル開発の契機となった。
3)実験的奇形腫モデルの確立(1960年代~1970年代)
Stevens (1962, 1970) は、マウス胎児性カルチノーマ(embryonal carcinoma; EC)細胞を樹立し、これらが異所移植で奇形腫を形成することを示した。これらの成果は、腫瘍細胞が多能性を保持し、正常発生過程を模倣しうることを明らかにした。
4)胚性幹細胞研究との関連(1980年代)
Evans & Kaufman (1981) は、マウス初期胚からES細胞を確立した。ES細胞は、免疫不全マウスに移植すると奇形腫を形成することが確認され、分化能評価の標準モデルとなった。
Martin (1981) も同様にES細胞樹立を報告し、奇形腫形成試験(teratoma assay)がES細胞の多能性検証法として確立された。
5)ヒトiPS細胞研究とマウス奇形腫モデル(2000年代以降)
Takahashi & Yamanaka (2006) によるマウスiPS細胞の作製後、奇形腫形成は多能性の必須評価試験として継続的に使用されている。
マウス奇形腫モデルは、再生医療研究における分化能・腫瘍形成リスク評価に不可欠である。
6)結論
マウス奇形腫研究は、発生学や幹細胞生物学の発展に大きく寄与してきた。特に、129系統マウスにおける自然発生奇形腫の研究からES細胞、多能性評価法、iPS細胞研究への発展は、基礎・応用研究の双方において重要な歴史的意義を持つ。
参考文献
- Stevens LC, Little CC. Spontaneous Testicular Teratomas in an Inbred Strain of Mice. Proc Natl Acad Sci USA. 1954;40(11):1080-1087.
- Stevens LC. The Biology of Teratomas. Advances in Morphogenesis. 1967;6:1-31.
- Evans MJ, Kaufman MH. Establishment in culture of pluripotential cells from mouse embryos. Nature. 1981;292:154-156.
- Martin GR. Isolation of a pluripotent cell line from early mouse embryos cultured in medium conditioned by teratocarcinoma stem cells. Proc Natl Acad Sci USA. 1981;78:7634-7638.
- Takahashi K, Yamanaka S. Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors. Cell. 2006;126:663-676.
(3)私が2012年に書いた文章
奇形腫(teratoma)あるいは奇形癌腫(teratocarcinoma)は、もともとヒトの精巣や卵巣において発見された悪性腫瘍であるが、3胚葉由来の種々の分化した細胞、例えば神経、筋、腺細胞等、が見られることから興味が持たれていました。研究が広がるきっかけは、1954年にStevens and Littleにより雄マウスの約1%に、精巣に奇形腫が自然発症することが発見されたことに端を発しています[1]。この系統が129であり、後のES細胞の樹立が129系統からであることとも関連しています。発生頻度の低さから研究が広がるための突破口は、Stevensにより見出されました[2]。すなわち、129系統の生殖隆起(11日胚から13.5日胚)を、他のマウスの精巣に移植することにより、実験的に奇形腫を誘発できることです。その後、2細胞期胚から円筒胚のいずれを移植しても奇形腫ができることが明らかにされました[3, 4]。この奇形癌腫は悪性であり、移植可能ですが、その中の胚性癌腫細胞(embryonal carcinoma cell: EC cell)が必要なことが分かりました。このEC細胞が、多分化能を持つことは、1個のEC細胞を移植することによっても奇形癌腫ができることによって示されました[5]。
奇形腫の起源についての研究も行われましたので、紹介しておきます。この問題は、どの細胞から全能性を持つ幹細胞が樹立できるのかということと関連しており興味深いからです。生殖隆起の移植の場合、奇形腫ができるのが11日胚から13.5日胚と限定されていることから、始原生殖細胞がその起源ではないかと考えられました。これを証明するために、Stevensは、steel変異マウス(Sl/Sl)の生殖隆起を用いることを考えました。すなわち、Sl/Slマウスは生殖細胞を欠損していますので、もし始原生殖細胞が奇形腫の起源であるならば、Sl/Slの生殖隆起を移植したのでは、奇形腫ができないはずです。実際、Sl/Slマウスの生殖隆起の移植では、奇形腫ができないことが証明されました[6]。一方、胚細胞そのものが起源ではないかとの考えは古くからあり、既述したように2細胞期胚から円筒胚のいずれの胚を移植しても奇形腫ができるところから、多能性を持つ胚細胞も奇形腫の起源になると考えられました。これがのちの胚盤胞からのES細胞の樹立につながっています[7, 8]。
文献
- Stevens LC, Little CC. Spontaneous Testicular Teratomas in an Inbred Strain of Mice. Proc Natl Acad Sci U S A 1954; 40: 1080-1087.
- Stevens LC. Experimental Production of Testicular Teratomas in Mice. Proc Natl Acad Sci U S A 1964; 52: 654-661.
- Solter D, Skreb N, Damjanov I. Extrauterine growth of mouse egg-cylinders results in malignant teratoma. Nature 1970; 227: 503-504.
- Stevens LC. The development of teratomas from intratesticular grafts of tubal mouse eggs. J Embryol Exp Morphol 1968; 20: 329-341.
- Kleinsmith LJ, Pierce GB, Jr. Multipotentiality of Single Embryonal Carcinoma Cells. Cancer Res 1964; 24: 1544-1551.
- Stevens LC. Origin of testicular teratomas from primordial germ cells in mice. J Natl Cancer Inst 1967; 38: 549-552.
- Matsui Y, Zsebo K, Hogan BL. Derivation of pluripotential embryonic stem cells from murine primordial germ cells in culture. Cell 1992; 70: 841-847.
- Resnick JL, Bixler LS, Cheng L, Donovan PJ. Long-term proliferation of mouse primordial germ cells in culture. Nature 1992; 359: 550-551.
(4)上記の文章を比較しての感想
AIでは1回目と2回目でまとめ方が若干異なる文章になっています。なぜこうなるのか不明ですが、違う人が同じタイトルで調べた時、同じ文章にならないようにしているとすれば、これも驚きです。AIによる文章は、知らない領域の研究内容を知りたい場合や書く場合は、論文を読まなくても済みますので、非常にいいと思います。ただ、文章は淡々としており、ちょっとしたドラマ性を織り込むことはなく、専門家が書く内容として、読者の注意を惹きつけるには物足りないのが欠点だと思います。
(5)さらに悪ノリして、「マウス奇形腫研究の歴史 引用文献含む 英文で」と要求してみました。答えは次の通りです。
A Historical Overview of Mouse Teratoma Research
Mouse teratomas have played a pivotal role in the study of developmental biology and stem cell research. Teratomas are tumors composed of tissues derived from all three germ layers--ectoderm, mesoderm, and endoderm--and their occurrence in mice has provided critical insights into pluripotency and early embryonic development.
The earliest recognition of mouse teratomas dates back to the 1950s, when Leroy Stevens first identified spontaneous testicular teratomas in the 129/Sv mouse strain (Stevens, 1954). His pioneering work led to the discovery that these tumors were associated with cells capable of differentiating into various tissue types. Subsequent studies in the 1960s and 1970s established the experimental induction of teratomas by transplanting early embryonic tissue into extrauterine sites, solidifying the use of mouse teratomas as a model for pluripotent cell behavior (Stevens & Little, 1954; Stevens, 1967).
In the 1980s, the study of mouse teratomas became foundational to the derivation of embryonic stem (ES) cells. Evans and Kaufman (1981) demonstrated that the cells isolated from early mouse embryos could be maintained in vitro and would form teratomas when introduced into immunodeficient mice, confirming their pluripotency. This research laid the groundwork for the use of teratoma assays as a standard method for evaluating stem cell differentiation potential.
Today, mouse teratoma models remain a cornerstone in stem cell biology, providing insights into developmental processes, tumorigenesis, and regenerative medicine.
These studies collectively illustrate how mouse teratoma research has shaped our understanding of stem cell biology and developmental mechanisms
Key References:
- Stevens, L.C., & Little, C.C. (1954). Spontaneous testicular teratomas in an inbred strain of mice. Proceedings of the National Academy of Sciences USA, 40(11), 1080-1087.
- Stevens, L.C. (1967). The biology of teratomas. Advances in Morphogenesis, 6, 1-31.
- Evans, M.J., & Kaufman, M.H. (1981). Establishment in culture of pluripotential cells from mouse embryos. Nature, 292, 154-156.
- Martin, G.R. (1981). Isolation of a pluripotent cell line from early mouse embryos cultured in medium conditioned by teratocarcinoma stem cells. Proceedings of the National Academy of Sciences USA, 78(12), 7634-7638.
(6)感想:
驚くべきことに、英語ができなくても書けてしまいます。今まで学習してきた英語の勉強もどこかへ吹き飛んでしまいました。これだと今まで英語の論文を書いて、英語の校閲にお金をかけて出していましたが、それが不要になるようです。頭がおかしくなりそうです。おそるべしAIです。
4.奇形癌腫細胞の研究
次の話題は、奇形癌腫からのcell line (embryonal carcinoma cell: EC細胞)の樹立です。最初の報告は、自然発生した奇形癌腫からのcell lineであり、Finch and Ephrussiにより1967年に報告されました[9]。さらに、胚の移植によって得られた奇形癌腫からも多数樹立されました。これらのEC 細胞は、未分化なまま培養可能で、かつ移植により奇形癌腫を形成します。興味あることに、Martin and Evansは、feeder細胞上で培養すると未分化状態を保ち、feeder細胞を除去すると分化が始まり、浮遊培養すると胚様体(内側が)を形成するEC細胞を樹立しました[10, 11]。これはまさに後のES細胞を樹立するうえで、大いなる経験となっています。
奇形癌腫細胞を腹腔内に注入すれば胚性癌腫細胞だけが増殖するのではないかとの考えからその実験が行われましたが、以外にも胚発生の初期に見られる形態をもつ細胞の塊が出現することを見出し、胚様体(embryoid body)と名付けられました[12]。この胚様体には、内部が胚性癌腫細胞で外側を一層の内胚様性の細胞できている単純胚様体(simple embryoid body)と、それからさらに内部が液で満たされた嚢胞性胚様体(cystic embryoid body)が形成されることが発見されました。この胚様体が初期発生に類似していることから、これをモデル系として、胚発生を理解できるかもしれないとの考えが起こり、様々な分化誘導実験が行われました。後述するように、この系がES細胞を用いての初期発生研究のツールとして使われていることは感慨深いものがあります。
培養が可能となったEC細胞を用いて1970年代には驚きの報告が相次ぎました。まず、1974年にBrinsterがOTT6050というEC細胞をマウスの胚盤胞に注入したところ60匹が生まれ、うち1匹がごく小さい斑点状のEC由来のアグチのコートカラーを示した報告をしました[13]。このことは、EC細胞がキメラ状態で、in vivoで正常組織に分化できることを示したものであり、当時としては驚くべき成果でした。翌1975年には、Mintz and IllmenseeがやはりOTT6050の胚盤胞への注入により、93匹が生まれ、うち14匹を解析したところ3匹がキメラマウスであり、かつ精子にも分化し、生殖系列に伝わったと報告しました[14]。同じく1975年、Evansのグループは、別のセルラインであるC86やC17を用いて胚盤胞に注入し、121匹が生まれ、うち11匹がキメラマウスであったと報告しました。彼らは一部で奇形腫が発生したと記載していますが、生殖系列への伝達は確認していません[15]。1976年にIllmensee and Mintzは、1個のOTT6050細胞を胚盤胞に注入し生まれた71匹の解析で21匹がキメラであったと報告しています[16]。1977年にはDeweyらが、OTT6050を6-thioguanineで処理してHypoxanthine phosphoribosyl transferaseを欠損した細胞を単離し、これを胚盤胞に注入してキメラマウスを得ました。このキメラではHPRT活性が低下していることを確認しています。生殖系列に伝わりはしませんでしたが、この方法によりHPRT欠損マウスを作製し、ヒトLesch-Nyhan病のモデルマウスを作製できるとの期待が高まりました。さらに驚くべき報告が、Illmenseeらによって1978年になされました。まずOTT6050を5-bromodeoxyuridine抵抗性にし、thymidine kinase欠損細胞を単離した。一方、HPRTを欠損しているヒトHT1080-6TG細胞と融合し、Hypoxantine/aminopterin/thymidine (HAT)培地で培養し、thymidine kminaseのあるヒトの17番染色体が含まれたOTT6050細胞を選択しました。この融合細胞を胚盤胞に注入することにより、ヒト17番染色体をもつキメラマウスの作製に成功しました。そして、ヒトgalactokinaseを2つの組織で検出することに成功しています。同じく1978年、Mintz研究室のWatanabeらは[17]、ミトコンドリア遺伝子をマウスに導入することに成功しました。彼らは、6-thioguanine 処理によりHPRT欠損させたC57BL/6マウス由来のメラノーマセルラインを用い、変異原であるethyl methane sulfonateで処理し、クロラムフェニコール(CAP)存在下で培養することでCAP耐性株を単離しました。これはミトコンドリアにある遺伝子変異によって耐性となります。この細胞から脱核し、残った細胞質とOTT6050とを融合して、いわゆるcybrid細胞を得ました。このcybridは長期間in vitroで培養しても分可能を失いませんでした。そこで、胚盤胞に注入してみるとキメラマウスを得ることができました。これによりミトコンドリアの変異を持つマウスを作製できる可能性が示されました。さらに1979年、IllmenseeとCroceは、ラットとマウスの雑種細胞からキメラマウスを作製することに成功しました。Thymidine kinase (TK)欠損OTT6050細胞とHPRT欠損ラット肝がん細胞とを融合し、HAT培地で選択後、融合細胞を単離し、この細胞を胚盤胞に注入することによりキメラマウスを作製し、融合細胞では発現しなかったラット遺伝子が、キメラの肝臓の中で発現することを明らかにしました。
上記のように奇形癌腫由来のOTT6050細胞を用いて、毎年のように華々しい報告がなされ、思いのままに変異マウスを作製できるのではないかとの夢がもたれたましたが、それ以降パタッと報告が途絶えました。当時、1978年から1980年にかけ私もエール大学にいましたが、OTT6050細胞が途絶えたためであるという噂が流れてきました。その一方で、やはりMintz研究室のPellicerらは[18]、OTT6050由来の6050Pというセルラインを用いて、まずTK欠損細胞を作り、そこに単純ヘルペスウイルスのTK遺伝子単独あるいはヒトベータグロビン遺伝子を同時に導入できるという報告がでました。これは、1980年の4月のProc. Natl. Acad. Sci. USAに発表されました。同年12月号にGordonらによって単離したDNAのマウス受精卵への注入により作製されたトランスジェニックマウスが初めて報告されましたが、この時代のうねりを肌で感じることができ、まさに「時の流れ」を感じさせる出来事でした。また、奇形癌腫から、新たなセルラインの樹立も試みられ、1981年にはStewartとMintzは[19]、METT-1というセルラインを樹立し、作成したキメラマウスが生殖系列に伝わることを報告しています。また、1982年も続報として生殖系列に伝わることを報告しました[20]。しかし、次の項でES細胞が樹立されたことを書きますが、これとともにEC細胞の役割は終え、表舞台から消えていきます。
5.ES細胞の研究
奇形癌腫を経ずに、胚から直接多能性を有する幹細胞の樹立は試みられてはいましたが不成功に終わっていました。そこで、EvansとKaufmanは[21]、用いる胚の発生時期、十分量の細胞数、増殖は誘導するが分化は阻止する培養液が重要ではないかと考えました。時期というのは、着床直後の胚がよいと推察されましたので、交尾後2.5日後に卵巣を摘出し、ホルモンを投与することで、着床を遅らせた胚盤胞を取り出す工夫を行いました。このようにして作製した細胞をEK (EvansとKaufmanの頭文字をとった)細胞と名付けました。なお用いたのはEC細胞で実績のある129 SvE系統です。このEK細胞は、核型は正常で、皮下に移植すると奇形癌腫を形成し、浮遊培養すると単純胚様体から嚢胞性胚様体が生じること、その後種々の細胞が分化してくることから、多分化能を持つ幹細胞であることが示されました。一方、米国のGail Martinも同様の報告をしました[22]が、方法が若干異なっており、ICRxSWR/Jの交配で得られた胚を用い、体外に取り出した胚盤胞を一日培養することにより後期にずらしたことと、EC細胞のconditioned mediumを用いて培養したことです。後述しますが、このconditioned mediumが大きな役割を果たします。これらをembryonic stem cell (ESC)とよび、embryonal carcinoma cell (ECC)と区別しました。EvansとKaufmanの論文は、『Nature』の7月号に、Martinの論文は『Proc. Natl. Acad. Sci. USA』の12月号に掲載されています。2007年のノーベル医学生理学賞で、Evansは受賞の栄誉を受けましたが、Martinは選から漏れ、この5カ月の違いが明暗を分けたことになります。ただ、多能性幹細胞の名前としてはES細胞が生き残っており、Martinが一矢を報いたこととなっています。
1984年に、Bradleyらは、このEK細胞を用いて、50%を超える率でキメラマウスを作製できること、そして生殖系列に伝達すること、つまりES細胞由来の精子が次世代を作れるということを示しました[23]。この論文での議論の中心は、trasngenesisの問題で、すでにマウス受精卵に単離した遺伝子を導入すれば、効率よくトランスジェニックマウスが作製できることが示されている一方で、ES細胞を用いてのtrasngenesisにどれだけの意味があるのかということでした。この当時の議論としては、EC細胞の研究から明らかになった事項、すなわちあらかじめ遺伝子が導入されたESを選択できること、目的の変異を導入できること、そして染色体の一部または全部を導入できることとしています。まだ、この時点では相同組換えは出てきていません。ここで注目したいのは、最初のEK細胞の樹立からこの報告まで3年かかっていることです。パイオニアワークというのは、何事につけ時間と努力が必要であることを示しているのです。1986年にGosslerらは、ES細胞にあらかじめリン酸カルシウム法で遺伝子を導入し、それを用いてキメラマウスを作製することで、トランスジェニックマウスを作製できることを報告しました[24]。
ES細胞が、広くつかわれるようになる過程では、分化をさせずに増殖させることのできる培養条件が必要です。この点に関して、知られていた事実はfeeder cellがあると、多分化能を維持できるということでした[11]。これを基にSmithとHooperは、1983年、feeder cellのconditioned mediumを用いれば、ある程度feeder cellがなくても分化させずに増殖させることができることを見出しました[25]。しかし、分化を阻止する能力は十分ではありませんでしたので、種々の細胞のconditioned mediumを探し、ついにBaffalo rat liver細胞のconditioned mediumを用いれば、ほぼ完全に分化を阻止できることを1987年に発見し、このファクターをDifferentiation inhibitory activity (DIA)と名付けました[26]。そして、翌1988年に3つのグループにより[27-29] 、DIAがマウスのL1 myeloid leukemia cellをマクロファージに分化誘導するLeukemia inhibitory factor(LIF)と同じものであることが明らかにされまりました。これ以降、多能性を保ったままES細胞の培養をすることが格段に容易になりました。そして、1989年にES細胞を用いた最初のノックアウトマウスの報告がなされ、それ以降ノックアウトマウスは遺伝子機能の解析、ヒト疾患モデルの作製等で多くの優れた研究がなされています。
マウス以外のES細胞の樹立は多くの研究者によって試みられていましたが、なぜか不成功に終わっていました。しかし、Thomsonらにより、1995年にはrhesus monkeyの胚盤胞から[30]、1998年にヒト胚盤胞から[31]それぞれES細胞が樹立されました。ヒトの場合は、キメラ作製などはできませんので、あくまでES細胞としてのその他の基準が満たされているかどうかで判断されています。これらの基準には、ES細胞の培養時の形態、テロメラーゼ活性、SSEA-3やSSEA-4等の細胞表面マーカー(マウスではSSEA-1が発現しており、種の違いとみなされている)、奇形腫の形成による3胚葉性細胞への分可能などが含まれる。これらの論文で示されたもう一つの重要なポイントは、幹細胞性を維持するために、マウスES細胞とは異なってLIFが有効ではなく、mouse embryonic fibroblast (MEF)上での培養が有効であったことです。
6.ES細胞の幹細胞の状態(多能性)を維持する機構の研究
ES細胞の幹細胞性や自己増殖能を維持するため、Wntシグナル、BMPシグナル、STAT3シグナル等をはじめとする様々のシグナルが必要であると考えられてきました。しかし、ES細胞の増殖と多能性維持において、細胞内部の分化シグナルを抑制すれば、外部からのシグナルは不要であることをYingらは明らかにしました[32](図1)。すなわち、分化抑制シグナルとして重要なのは、LIFからSTAT3にいたるシグナル、BMPからId (inhibitor-of-differentiation)のシグナルであり、これらはいずれもFGF4から、FGFリセプターを介する分化に働くシグナルと関連し、リン酸化したERKの下流でこのシグナルを抑制します。また、GSK-3はβ-カテニンをリン酸化することでWntシグナルを刺激し、分化を誘導しますが、そのインヒビターである6-bromoindirubin-3ʹ-oxime (BIO)を用いることで、ヒトおよびマウスのES細胞の多能性を維持できることが明らかにされています。したがって、FGFリセプターのインヒビターであるSU5402、その下流のMEKインヒビターであるPD184352、そしてGSK-3の特異的インヒビターであるCHIR99021の3つのインヒビター(3i)を用いることで、自己再生が可能で、分化を抑制することが示されました。この3iを用いて、ラットの胚盤胞から生殖キメラが効率よくできるES細胞の単離に成功しています。さらにもっと強力なMEKインヒビターであるPD0325901とGSK3インヒビターの2つのインヒビター(2i)でのラットESも試みられ、同様に生殖キメラが効率よくできるES細胞の単離に成功してます。そして、Tongらはこの方法論を用い、p53ノックアウトラットの作製に成功しました[33]。とにかく、分化に働くシグナルを抑制するだけで、自己複製能と多能性を維持できるなんて冗談としか思えませんでした。

7.3557匹のマウス
マウスに発生する奇形腫、それも頻度が1%というきわめて低いものを研究対象にすることは驚異に値します。129系統に行き当たるのに、他の系統も解析したはずですが、そのことはStevensの1954年の論文には記載されていません。ただ、129系統だけについても3557匹を調べて30匹に奇形腫が見つかったと記載されており、膨大な解析の上に成り立っていることが伺えます。このような研究が発端となって現在のES細胞研究が成り立っていることを思うと、流行に媚びない、普段の地道な研究がいかに重要であるかを思い知らされます。興味があれば、労多くして益少なしといえども、またCapecchi博士のように研究費が当たらなくても、むしろその研究に集中させやり遂げることがいかに大切かを示す見本のような歴史だといえます。
8.AIでできること
最後に、AIに「iPS細胞由来肝細胞を用いて肝臓ヒト化マウスを作製する際に想定される主な問題点」を聞いてみました。答えは以下の通りで、驚くほど的確でした。
(1)分化効率と成熟度の問題
- iPS細胞から誘導される肝細胞はしばしば未熟で、胎児型肝細胞に近い性質を示すことが多い。
- 成熟肝細胞としての機能(薬物代謝酵素活性、胆汁生成など)が不十分で、移植後の機能再現性が低下する。
(2)生着および長期維持の困難さ
- マウス肝臓内でのヒト肝細胞の生着効率は必ずしも高くない。
- 拒絶反応や宿主肝細胞との競合により、長期的なヒト肝細胞の維持・拡大が難しい場合がある。
(3)免疫学的・宿主適応性の課題
- ヒト化マウスの多くは免疫不全マウスを用いるが、残余の自然免疫により移植肝細胞が排除されるリスクがある。
- 宿主マウス肝臓の微小環境がヒト肝細胞の完全成熟や機能発現を十分にサポートできない可能性がある。
(4)腫瘍形成リスク
- iPS細胞由来細胞には未分化細胞が混在する場合があり、腫瘍化のリスクが存在する。
- 特に肝芽腫様の腫瘍や奇形腫形成の可能性が懸念される。
(5)個体差と再現性の問題
- iPS細胞株間で分化能や成熟度に差があるため、ヒト化マウス間で機能や肝臓ヒト化の程度にばらつきが生じやすい。
(6)倫理・技術上の制約
- 高度な動物実験倫理審査が必要であり、施設や技術者の制約が強い。
- 作製コストや時間が大きく、スループットの高い研究には不向き。
これらの課題を踏まえ、細胞成熟化技術の改良、宿主マウス側の改変(免疫不全度や肝不全モデルの最適化)、および腫瘍化リスクを低減する工程管理が重要となります。
文献
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次回はコラム第21話です
次回は本来の話、「肝前駆細胞の樹立」に戻って、「Katsuda et al. Generation of human hepatic progenitor cells with regenerative and metabolic capacities from primary hepatocytes. Elife 8:e47313, 2019」を紹介します。