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当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の導入について

平成18年5月15日
熊本県熊本市南熊本三丁目14番3号
株式会社トランスジェニック
代表取締役社長 是石 匡宏
(コード番号 2342 東証マザーズ)
(問合せ先)専務取締役 田中 淳
電話番号 092-736-8010
当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の導入について
 当社は、平成18年5月15日開催の当社取締役会において、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについても、当社取締役会が同意したものを除くものとし、市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)への対応策(買収防衛策)の導入について、次のとおり決定しましたのでお知らせいたします。
 本買収防衛策は、大規模買付行為がなされる場合の事前の情報提供に関するルール(大規模買付ルール)の策定と大規模買付行為がなされた場合の対応方針を定めたものであります。
なお、上記対応方針を決定した当社取締役会には、すべて社外監査役である当社監査役3名が出席し、いずれの監査役も上記対応方針の具体的運用が適正に行われることを条件として、上記対応方針に賛成する旨の意見を述べました。
1. 大規模買付ルールの目的
 当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社株式の売買は、株主、投資家の自由意思に委ねられるべきものと考えており、特定の者の大規模買付行為においても、これに応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有される当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
 当社は「生物個体からゲノムにいたる生命資源の開発を通じて基盤研究および医学・医療の場に遺伝情報を提供し、その未来に資するとともに世界の人々の健康と豊かな生活の実現に貢献する」を経営理念とし、主として遺伝子破壊マウス事業および抗体事業を展開するバイオベンチャーであります。これらの事業は、生命資源を取り扱うことや日進月歩で技術革新が進む事業分野であることから、高い倫理観やバイオテクノロジーに関する専門的な知識・ノウハウが要求されます。従って、当社の経営は上記のような事業特性を前提とした経営のノウハウ、並びにバイオ関連ビジネスに関する高度な知識、技術、経験を有する従業員、大学・企業との共同研究先及び取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等が重要であり、これらへの理解が不可欠であると考えております。このような当社の事業に対する理解なくして当社の企業価値の把握は困難であり、株主の皆様が大規模買付者による大規模買付行為を評価するに際しては、大規模買付者から一方的に提供される情報のみならず、現に当社の経営について株主の皆様から委任を受けており、当社の事業特性を十分に理解している当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが必要不可欠と考えております。
 以上の考え方に基づき、当社取締役会としては、以下の内容の大規模買付行為における一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を策定いたしました。かかる大規模買付ルールに則り、当社取締役会は、株主の皆様が大規模買付行為に対する判断を行うために必要かつ十分な情報を収集・提供し、また、これを評価・検討して取締役会としての意見をまとめて公表することとし、さらに、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求め、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は、大規模買付ルールに則っていたとしても、大規模買付行為が株主の皆様の共同の利益を著しく損なう場合等には、当社取締役会がその時点で適切と考える一定の措置を講じることができるものといたします。
 なお、一般に大規模買付行為に対する取締役会の対応によっては、現経営陣の保身に利用されること、また、不当に株主の株式売却に対する自由を妨害することにつながるという弊害も指摘されているところでありますが、本ルールは、あくまで株主の皆様の自由な意思決定を行うための前提となる必要な情報・機会を確保することを目的としてそれに必要かつ相当なルールを設定するものであり、かかる弊害は生じないものと考えております。

2. 大規模買付ルールの内容
 当社取締役会が設定する大規模買付ルールとは、大規模買付者が事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、それに基づき当社取締役会が当該大規模買付行為について評価検討を行う期間を設け、当社取締役会の意見を開示した後、または当社取締役会が一定の評価期間内に意見を開示しない場合には、同期間が経過した後に大規模買付行為を開始していただくというものです。
 具体的には、まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を提供していただきます。本必要情報の具体的内容は大規模買付者の属性及び大規模買付行為の内容によって異なりますが、一般的な項目の一部は以下のとおりです。

① 大規模買付者及びそのグループの概要(大規模買付者の事業内容、当社の事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)
② 大規模買付行為の目的及び内容
③ 当社株式の取得対価の算定根拠及び取得資金の裏付け
④ 当社の経営に参画した後に想定している経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等(以下、「買付後経営方針等」といいます。)

 大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社代表取締役宛に、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示した、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととし、当社は、かかる意向表明書受領後10営業日以内に、大規模買付者から当初提供いただくべき本必要情報のリストを当該大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報を精査した結果、それだけでは不十分と認められる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して本必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めます。大規模買付行為の提案があった事実及び当社取締役会に提供された本必要情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部又は一部を開示します。
 次に、当社取締役会は、当社の事業領域に対する評価の難しさに鑑み、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した後、90日間を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案及びそれらの株主・投資家の皆様への報告・説明のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)といたします。従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。取締役会評価期間中、当社取締役会は独立の外部専門家等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として当社株主の皆様に対し代替案を提示することもあります。

3. 大規模買付行為がなされた場合の対応方針
(1)大規模買付ルールが遵守された場合
 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、当社株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、当社株主の皆様において、当該買収提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。
 但し、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすと認められる場合や当社株主全体の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は当社株主の皆様の利益を守るために適切と考える方策を取ることがあります。

(2)大規模買付ルールが遵守されない場合
 大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社及び当社株主全体の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で当社株主の皆様にとりもっとも適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。具体的対抗措置として株主割当により新株予約権を発行する場合の概要は別紙に記載のとおりですが、実際に新株予約権を発行する場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件等を設けることがあります。

4. 株主・投資家に与える影響等
(1) 大規模買付ルールが株主・投資家に与える影響等
 大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社株主全体の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、大規模買付ルールの設定は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行ううえでの前提となるものであり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
 なお、上記3. において述べたとおり、大規模買付行為者が大規模買付ルールを遵守するか否かにより、大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、当社株主及び投資家の皆様におかれましては、大規模買付行為者の動向にご注意ください。

(2) 対抗措置発動時に株主・投資家に与える影響等
 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、当社取締役会は、当社及び当社株主全体の利益を守ることを目的として、対抗措置を取ることがありますが、当社株主の皆様(大規模買付ルールに違反した大規模買付者を除きます。)が法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。当社取締役会が具体的対抗措置を取ることを決定した場合には、法令及び証券取引所規則に従って適時適切な開示を行います。
 なお、対抗措置として考えられるもののうち、新株予約権を発行する場合についての当社株主の皆様に関わる手続きは次のとおりとなります。
 新株予約権の発行につきましては、新株予約権の行使により新株を取得するために所定の期間内に一定の金額の払込をしていただく必要があります。また、名義書換未了の当社株主の皆様に関しましては、新株予約権を取得するためには、別途当社取締役会が決定し公告する新株予約権の割当期日までに、名義書換を完了していただく必要があります。かかる手続きの詳細につきましては、実際に新株予約権を発行することになった際に、法令及び証券取引所規則に基づき別途お知らせいたします。この新株予約権を行使しない場合、他の株主の皆様が極めて安価に当社普通株式の発行を受けることにより、結果として、新株予約権を行使しなかった株主の皆様についても、いわゆる希釈化の不利益を受けることがあります。

5. 大規模買付ルールおよび対応方針の見直し等
 本大規模買付ルールおよび対応方針については、本年6月28日開催予定の当社定時株主総会において、株主の皆様のご賛同を得るため議案としてお諮りする予定であり、本定時株主総会において出席株主の皆様の過半数のご賛同を得られなかった場合には、その時点で廃止されるものとします。また、毎年当社定時株主総会終了後、最初に開催される当社取締役会において、継続の可否について検討することとします。なお、かかる方針を継続することを決定した場合であっても、企業価値・株主価値向上の観点から、会社法を含めた関係法令の整備・改正、東京証券取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ、随時見直してまいります。
 本大規模買付ルールおよび対応方針について、継続可否の検討及び見直しを行った場合には、その内容を速やかにお知らせします。

注1:特定株主グループとは、
(i) 当社の株券等(証券取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。) の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)又は、
(ii) 当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、競売買の方法によるか否かを問わず取引所有価証券市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。

注2:議決権割合とは、
(i) 特定株主グループが、注1の(i)記載の場合は、当該保有者の株券等保有割合(同法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。以下同じとします。)も計算上考慮されるものとします。)又は、
(ii) 特定株主グループが、注1の(ii)記載の場合は、当該大規模買付者及び当該特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。
各株券等保有割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。

注3:株券等とは、
証券取引法第27条の23第1項に規定する株券等を意味します。



別紙

新株予約権の概要

1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件
当社取締役会で定める割当期日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。

2.新株予約権の目的たる株式の数
新株予約権1個当たりの目的たる株式の数は1株とする。但し、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。

3.発行する新株予約権の総数
新株予約権の割当総数は、150,000,000個を上限として、当社取締役会が別途定める数とする。当社取締役会は、割当総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。

4.各新株予約権の払込金額
無償とする。

5.各新株予約権の行使に際して払込をなすべき額
各新株予約権の行使に際して払込をなすべき額は1円以上で当社取締役会が定める額とする。

6.新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡については、当社取締役会の承認を要する。

7.新株予約権の行使条件
本対応方針発効日以降に議決権割合が20%以上となったことのある特定株主グループに属する者に新株予約権の行使を認めないこと等を、新株予約権行使の条件として定めることがある。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。

8.新株予約権の行使期間等
新株予約権の行使期間、取得事由その他必要な事項については、当社取締役 会にて別途定めるものとする。
以上