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アトピー性皮膚炎モデルマウスに関する独占ライセンス契約締結のお知らせ

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2015年10月20日
会員マーク
会 社 名   株式会社トランスジェニック      
代表者名  代表取締役社長 福永 健司    
(コード番号 2342東証マザーズ)
問合せ先  取締役 経営企画室長 船橋 泰
(電話番号 03-6693-9571)
アトピー性皮膚炎モデルマウスに関する
独占ライセンス契約締結のお知らせ
 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)は、学校法人兵庫医科大学(以下「兵庫医大」)及び国立大学法人三重大学(以下「三重大」)が共同保有する「アトピー性皮膚炎モデル動物」に関する特許の全世界での独占的通常実施権についてライセンス契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。本契約により当社は、当該アトピー性皮膚炎モデルマウスの販売および非臨床試験受託サービスの提供を開始することになります。

 このたび、実施許諾の対象となった本発明は、兵庫医大皮膚科学講座山西清文教授らの研究グループが開発した、ヒトのアトピー性皮膚炎と類似した症状を自然発症するマウスです。ヒトのアトピー性皮膚炎患者の皮膚にはIL-33 が増加することが報告されており、当該マウスはIL-33 を皮膚に過剰発現させ、ヒトのアトピー性皮膚炎症状で認められる免疫応答を再現することに成功したものです。均一に発症し、作製が簡便な生理的モデルであることから、アトピー性皮膚炎モデルマウスとして、新規治療法の開発に貢献することが期待されます。

 当社は、収益性が高いモデルマウスの拡充を積極的にすすめており(※)、このたびの「アトピー性皮膚炎モデルマウス」の導入は、先に公表しました「中期経営Vision」に掲げました基本戦略におけるジェノミクス事業部門の成長ドライバーを推進するものです。

 ※当社製品・サービス: モデルマウス製品ラインナップ

 <参考文献>
Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Aug 20;110(34):13921-6.
Skin-specific expression of IL-33 activates group 2 innate lymphoid cells and elicits atopic dermatitis-like inflammation in mice.
Imai Y, et al


 <特許>
PCT/JP2014/061931「アトピー性皮膚炎モデル動物及びその用途」

◆ご参考
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、増悪・寛解を繰り返し、かゆみのある湿疹症状で、アトピー素因(本人または家族がアレルギー性鼻炎、喘息、結膜炎などのアレルギー性の疾患を持ち、アレルギー反応に関与する免疫グロブリンE(IgE)というたんぱく質 を産生しやすい体質)を有することが特徴です。皮膚が乾燥した状態で侵入した、ダニ、ほこり等のアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に免疫細胞が反応して炎症反応を引き起こされます。患者数は推計37 万人(厚生労働省 平成23 年患者調査)で、主な治療法は抗炎症の外用薬とスキンケアといった対症療法であり、病態に基づいた治療薬の開発が待たれている。

インターロイキン33(Interleukin 33; IL-33)
インターロイキンとは、免疫担当細胞(リンパ球、単球、マクロファージなど)が産生する生理活性物質の総称です。IL-33 は、様々な臓器の上皮細胞や血管内皮細胞の核内に局在し、細胞外へ放出されて免疫細胞を活性化します。アレルギー疾患、関節炎、糖尿病・炎症性腸疾患など様々な疾患に幅広く関与していると考えられています。

以上
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